セバスチャン・サルガド GENESI (創世記)

先日世界的写真家セバスチャン・サルガド氏*のGENESI 展に行ってきた。

*詳しい経歴についてはここ↓↓

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%90%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%83%89

GENESIはイタリア語、英語ではgenesis,日本語では『創世記』という意味である。

『創世記』は皆様も良くご存知の旧約聖書の中の最初の書である。

その「天地創造」の部分を引用する。

始めに神が天地を創造された。地は混沌としていた。闇黒が原始の海の表面にあり、神の霊風が大水の表面に吹きまくっていたが、神が、「光あれよ」と言われると、光が出来た。神は光を見てよしとされた。神は光と暗黒との混合を分け、神は光を昼と呼び、暗黒を夜と呼ばれた。…



そこで神が、「大水の間に一つの大空が出来て、大水と大水の間を分けよ」と言われると、そのようになった。神は大空を造り、大空の下の大水と大空の上の大水とを分けられた。神は大空を天と呼ばれた。神はそれを見てよしとされた。…



そこで神が、「天の下の大水は一つのところに集まり、乾いた所が現れよ」と言われると、そのようになった。神は乾いた所を地と呼び、水の集まった所を海と呼ばれた。神はそれを見てよしとされた。



そこで神が、「水には生き物が群生し、鳥は地の上に、天の大空の面を飛べよ」と言われると、そのようになった。神は大きな海の怪物と水の中に群生するすべての種類の泳ぎまわる生きもの、さらに翼あるすべての種類の鳥を創造された。そこで神は彼らを祝福して言われた、「ふえかつ増して海の水に満ちよ。また鳥は地に増せよ」と。…



そこで神が「地は各種の生きもの、各種の家畜と這うものと地の獣を生ぜよ」と言われると、そのようになった。神は各種の地の獣と、各種の家畜とすべての種類の地に這うものとを造られた。神はそれを見てよしとされた。…



一つの河がエデンから発し、園を潤し、そこから分かれて四つの源流となる。第一の名はピションで、ハビラの全地をめぐるもの。ハビラの地には金が算出する。その地の金はよい。そこにまたブドラクの樹脂と紅玉髄が出る。第二の河の名はギホンで、それはクシの全地をめぐるもの。第三の河の名はヒデケルで、それはアッシリヤの東を流れるもの。第四の河、それはユーフラテスである。…



この創世記の文は私が勝手にサルガドの写真に引っ付けたものである。

私はキリスト教徒でもユダヤ教徒でもない。しかし、これらの数百枚の写真を観て私は粛然とし、畏敬の念を持った。

私達が生きて見ている現実世界というのは地球のほんの僅か一部分なのである。それなのに全て分かったつもりになっているで、支配しているつもりになっている。なんというエゴイズムだろうか?


人間主義(ヒューマニズム)」という言葉がある。中世時代の価値観の中心である「神」の軛から解放されて、「人間」こそ、その中心であると宣言したものである。しかしその人間とは何か?私達は何処へ行こうとしているか?と絶えず内省していかなければ、そのエゴイズムは暴走する。浅薄な人間主義はそういう危険性を孕んでいる。




この二つの動画を是非ともご覧になって頂きたいと思います。

サルガドの行動の原点と今私達が置かれている状況が分かります。