ゆっくりと進む方が良い時もある(と思いたい。)

もともと手が遅い上、日本画は大変手間のかかる材料を使うので、いつも作品は遅々として進まない。

この冬はイタリアは記録的な寒さで、仕事場でも手がかじかみ、風邪もなかなか治らなくて辛い時期を過ごした。

ようやく今、平行して進めている作品のいくつかが箔を置く段階になりつつある。

 箔のあかしが終わり、これからいよいよ画面に箔を置いていく。もっとも神経が尖る作業である。私は金箔は純金箔を使うので失敗は許されない。笑



箔は大変扱いの難しい画材である。ここでは技法の詳しい説明は省くことにする。

金箔の下にはこういう絵具が塗り重ねられている。

(ちなみに銀箔の下には寒色系の絵具を置く。)



日本画で白色といえば「胡粉」。必ず、すり鉢で擦り砕いて使う。これも扱いの難しい絵具の一つである。



膠で耳たぶほどの固さにし、しっかりと練る。



水で薄め必要であれば更に膠をつぎ足す。滑らかな生クリームのような感じになる。



こうやって描いた絵がこれ。

背景は金箔で、蓮華の花は胡粉の白です。(ピンぼけで残念。)



手間をかけてコツコツと積み上げていくものだからこそ、味わい深いものになることを信じて、今日もぼつぼつとやることにしよう。