橋爪久美子小品展のお知らせ

関西方面の皆さまへ Flip-flop cafe Kobe で7月14〜29日(火曜日定休日)展覧会をいたします。 イタリア製のお洒落な額付きのミニアチュールの作品を中心に、0〜6号の日本画や銅版画も展示いたします。小さくても内容はぎっしり詰まったものだと思います。ど…

セバスチャン・サルガド GENESI (創世記)

先日世界的写真家セバスチャン・サルガド氏*のGENESI 展に行ってきた。 *詳しい経歴についてはここ↓↓ https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%90%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%83%89 GENESIはイタ…

今なぜ聖フランチェスコなのか?

およそ数多の聖人の中で、「アッシジの聖フランチェスコ」ほどイタリアで愛され親しまれている聖人はいないだろう。 その伝説は今も多くの人々に語られ映画やドラマにもなっている。 注)日本ではフランシスコと表記されることが多いが、ここではイタリア語の…

個展ご報告

ブログでの報告が大変遅くなりました。 この度の橋爪久美子展にお越し下さった方々、また支えてくださった皆様に心より御礼申し上げます。 お陰様で盛況の内終了いたしました。 関西また遠くは下関よりお越しくださって方々、また40数年振りにお会い出来た方…

銅版画作品もあります。

個展まであと一週間となりました。 ようやく銅版画の方の準備も出来てまいりました。 銅版画は全て、一枚一枚丁寧に手で刷っています。 ですのでインクのノリ具合や色が微妙に違っています。刷りの気に入らないものは出しません。 額に入れて会場に飾ってあ…

ミニアチュールの作品

今回の個展には前回大好評だったミニアチュールの作品を多く用意いたしました。 全てイタリアで作って貰った大変素敵な額縁が付いています。 小さい作品ですが、内容の凝縮したものになっていると思います。 手間は大きい作品と変わらない、いや、小さいもの…

個展のお知らせ

この度東京にて個展を開催いたします。 会期 /2017年7月31日(月)~8月6日(日) 会場/ギャルリー・コパンダール 「 ご挨拶 」 イタリア古典絵画に魅せられて、そのスタイルと日本画の融合を目指しています。 現代の大量スピード生産消費の世界とは反対の…

シリーズ「TANZAKU」

10年程前に東京アメリカンクラブというところで個展をさせていただいた時に 何か日本的なもの、(一応私の作品は日本画なのですが、そう認識されていない。w)を応用することが出来ないか?と考案したのが、このシリーズです。 短冊は書に使うものなので、あま…

絵画は解剖学から始まる。

イタリアではヌードデッサンが全ての絵画の基礎となる。 私が学んだAccademia di Belle Arti (国立美術学院)では、たとえ人物画を描かない人、そして具象画でなくて現代アート・抽象画を制作する人でも最初は実技の授業でヌードデッサンを繰り返し行わせる。…

『女性の日』の本当の意味

3月8日はイタリアでは『女性の日』でミモザの花を女性に送ります。街中黄色に色づきます。 これは『国際女性デー』としても世界的なもののようです。 「 1904年3月8日にアメリカ合衆国のニューヨークで、女性労働者が婦人参政権を要求してデモを起こした。こ…

ゆっくりと進む方が良い時もある(と思いたい。)

もともと手が遅い上、日本画は大変手間のかかる材料を使うので、いつも作品は遅々として進まない。 この冬はイタリアは記録的な寒さで、仕事場でも手がかじかみ、風邪もなかなか治らなくて辛い時期を過ごした。 ようやく今、平行して進めている作品のいくつ…

力は弱さの中で発揮される。

昨日からの急激な冷え込みで路上生活者の人が亡くなったと聞き胸が痛む。 だいぶ以前になるが、友人に勧められて本田哲郎氏の『釜ヶ崎と福音ー神は貧しく小さくされた者と共に』を読んだ。 細かい内容は省略するが、私はキリスト教文化に暮らす中で、消化不…

芸術作品の修復 3

一流の修復を行うには、ただ作品の表面を見るのではなく、その中に多くの事柄を発見し、 最良の方法を導き出すセンスが必要だと思う。 対処療法ではなく、将来に渡り、その作品が持つ力を保ち続けるようにしなくてはいけないのです。 チェーザレ・ブランディ…

夜のしじまに

10月の最終日曜日に時間が1時間ずれて冬時間となりました。 ヨーロッパは緯度が高いので、こんな南イタリアでも夕方もう真っ暗になります。長い冬の訪れです。 初めて過ごしたイタリアの冬のことは今も忘れることは出来ません。 『夜のしじまに』 0F(14x18cm…

芸術作品の修復 2

前回硬いテーマにもかかわらず、思いがけない大きな反響をいただきました。 安易にはじめてしまいましたが、このテーマは予想以上に手強いものだということに気づき、どう続けるかしばらく考えあぐねていました。 掘り下げればきりがないので、(一冊の本にな…

芸術作品の修復 1

ただ古典技法を習得したいが為に、アカデミアで修復の授業を受けた私。 この修復理論というやつ、修復家になるわけでもなし、取っつきにくくて、こんなの一銭の得にもならないよなぁと思っていたわけです。 でも、これを勉強出来て良かったと、今は本当に思…

バジリカータ 食の紀行

イタリア中部大地震と日本での台風の犠牲者と被災者の方々に心より哀悼の意を表します。(こんなのんきな投稿してお許し下さい。) 先日バジリカータ州の友人宅へ行ってきました。毎日ご飯作ってもらって美味しい物食べさせてもらって、海や山で思いっきり日本…

銅版画制作

来年の個展に向けて銅版画制作を始めました。 銅版画は日本画と共に私にとって重要な表現方法です。 ひょっとすると日本画よりも好きかもしれません。 さらに、版を酸性液に浸けて腐蝕させるエッチングなどのやり方と、腐蝕させないメゾチントと両方行います…

トスカーナを離れてわかったこと(3)

そのトスカーナへの郷愁を埋めるために、古代ローマやギリシャ文化に想いを馳せて創った作品が、"海が聴こえる"シリーズ となりました。 以下が ↓2005年に大阪の楓ギャラリーさんで開いた個展に私が寄せた文です。 "海が聴こえる" 南イタリアには古代ギリシ…

トスカーナから離れてわかったこと⑵

確か、特急か急行列車で早朝ミラノを出発し、深夜にシチリア島のシラクサに到着するというのがあった。 まさにイタリア半島を千数百キロも南下する行程である。 それをフィレンツェーサレルノ間を良く利用したものだが、それだけでも南北の格差を実感できる…

トスカーナから離れてわかった事 ⑴

シエナに二年間、フィレンツェに十年間、トスカーナで合計十二年間暮らした後、 南イタリアのカンパーニア州に引っ越しました。 トスカーナとカンパーニアがこれほどまでに違うとは…大きなカルチャーショックでした。同じ国とは思えないほどでした。 そもそ…

復活祭

こないだクリスマスだったのに、あっという間に復活祭(イースター、イタリア語でPasqua)の時期になりました。 街角いたるところで「おめでとう!」という挨拶が交わされています。 復活ということで思い出すのが、本田哲郎神父の話ですが、いつも本当に共感…

古くても新しいということ

前回の続きです。 で、当時フィレンツェの美術学院の制作現場というのは、ドイツ表現主義やポロックばりの抽象主義の花盛り。イタリアなのに(いや、だからこそかもしれない)、なんでドイツやアメリカになるんやろ?です。 ルネサンスがー、と言っていたのは…

芸術の書(C.チェンニーニ)

ルネサンス芸術の揺籃の地、フィレンツェの国立美術学院の門を、期待に胸を膨らませてくぐった私でしたが、絵画科の8人いた教授の中には、私が学びたかった中世・ルネサンスの絵画技法を教える教授はいませんでした。 それを勉強するには選択科目である"修…

イタリア人世界で頑張ってるんや

きょうは、思いつくままに、独断と偏見で、現存する世界的イタリア人のアーチストを挙げてみました。(順不同) 一応、全部に動画を貼り付けましたので、お好きなのをご覧ください。 ソフィア・ローレン Sophia Loren 女優 時々テレビに出られてますけど、いま…

私が日本画を始めた頃。(大した話でないです。)

私は京都の美術短大で日本画を勉強しました。 京都で日本画を勉強するということは、あの繊細な円山四条派のやり方を学ぶことを意味します。 竹内栖鳳 「猫」 ↑(この絵は何度見ても総毛立ちますな。) 結局、私があの2年間で学んだことというのは、ほんのさわ…

ヴェネチアの謝肉祭

イタリアではクリスマスからイースター(復活祭)へと続く流れのなかで カーニバル(謝肉祭)という行事があります。もともとカトリックの行事です。 今は全世界に伝わって、特にリオのカーニバルが有名ですね。 詳しい教義上のことは良く知らないのですが、この…

憶い出す日

1月27日はイタリアでは "giorno della memoria "です。 直訳しますと「記憶の日」。 ナチスのユダヤ人大虐殺が起こったことを再確認をする日です。 イタリアだけかと思って調べてみましたら、国連広報のサイトに以下のように出ていました。 『2005年11月1日…

はじめに建築ありき

イタリア語で、左官屋さんと画家が同じ言葉だという事をご存知でしょうか? 建築物の壁を担当するということで昔は同じことだと思われていました。 つまり、まず建物があり、その壁を飾るのが絵画、立体的三次元で飾るのが彫刻という概念がイタリアではあり…

ある冬の思い出

冬になるといつも風邪やら咳で体調を崩すことが多い私です。 今でこそイタリアの医療体制に組み込まれて生活していますが、 昔、フィレンツェにいたときは医者にかかるのにもひと苦労でした。 教会 の慈善活動で無料で移民のため診察をしているところがあり…