夜のしじまに

10月の最終日曜日に時間が1時間ずれて冬時間となりました。

ヨーロッパは緯度が高いので、こんな南イタリアでも夕方もう真っ暗になります。長い冬の訪れです。

初めて過ごしたイタリアの冬のことは今も忘れることは出来ません。


『夜のしじまに』 0F(14x18cm)  岩・泥絵具と銀箔


以前フェイスブックに投稿した拙文 

「20数年前シエナに住んでいた頃、電化製品の無い生活を送った。

一番困ったのは電話が無いことだった。

それで毎日夜9時過ぎに一番近くの公衆電話から友人たちに連絡を取ることにした。Duomo(町で一番大きい教会)の裏に住んでいたので、そこの付属の病院のロビーまで電話をかけに行っていた。

その時に見上げた夜空とDuomoの美しかったこと。最高に贅沢な日々を過ごしていたのかもしれない。」

夜空に瞬く星々を見上げると、バッハが眠れない伯爵の為に作ったといわれるこの曲を思い出します。

ゴールドベルグ変奏曲  (グレン・グールド演奏)


昔からずーっとグレン・グールドの演奏を聴いていた。彼の、時には激しく、弾きながらハモったり唸ったりする音まで入っている録音でした。

彼は若い時から注目されたピアニストだったけど、あるとき演奏会の為に曲を練習して喝采を浴びて…という生活に嫌気がさした。それからは自分のやりたい曲を、発表の場は録音だけというふうにしたそうです。残念なことに早逝してしまった。

良いも悪いも個性的な演奏ですね。

ある友人が、イタリア人ピアニストのマリア・ティーポの演奏が良いよ、ということでそれも聴くようになった。全然違っていて面白いです。

マリア・ティーポの演奏