古くても新しいということ

前回の続きです。

で、当時フィレンツェの美術学院の制作現場というのは、ドイツ表現主義ポロックばりの抽象主義の花盛り。イタリアなのに(いや、だからこそかもしれない)、なんでドイツやアメリカになるんやろ?です。

ルネサンスがー、と言っていたのは私ぐらいのものでした。変人と思われてたと思います。

でも私の中ではルネサンスの方が下手な現代アートより新しいのですがね。

ということで、

ここにパオロ・ウッチェロ(Paolo Uccello, 1397年 - 1475年12月10日)という画家を引用します。

「聖ジョルジョと竜」1470年


これ、良質のアニメを見ているような気がしませんか?

他にこんな作品もあります

「聖餅の奇跡」1467~68頃


この写真では便宜上3つに分けて上から下に並べていますが、本物は真横にずらっと並んでいて、6つの話を描いた大変細長い絵です。(43x351cm)

これ今で言うオムニバス形式っていうんでしょうか?色の使い方もなんとも面白い。赤が印象的です。

彼も また、ピエロ ・デラ ・フランチェスカ同様に遠近法を必死に研究した人です。

奇想天外なものや流行の先端にいることが新しいのではない。時代や国境を越えて、人々の心に共感できる普遍の美しさが、新しいのだといえるのではないでしょうか?


3回目の登場になりますが、アンジェロ・ブランドゥアルディです。

やはり今日のテーマだと彼の音楽を引用しないわけにはいきません。このシリーズは今8番目まで出ていますが、ヨーロッパ中世・ルネサンス音楽を現代に復活させている彼の仕事は注目されるべきだと私思います。

アルバム『FUTURO ANTICO 』(未来・過去)