絵画論

絵画は解剖学から始まる。

イタリアではヌードデッサンが全ての絵画の基礎となる。 私が学んだAccademia di Belle Arti (国立美術学院)では、たとえ人物画を描かない人、そして具象画でなくて現代アート・抽象画を制作する人でも最初は実技の授業でヌードデッサンを繰り返し行わせる。…

古くても新しいということ

前回の続きです。 で、当時フィレンツェの美術学院の制作現場というのは、ドイツ表現主義やポロックばりの抽象主義の花盛り。イタリアなのに(いや、だからこそかもしれない)、なんでドイツやアメリカになるんやろ?です。 ルネサンスがー、と言っていたのは…

芸術の書(C.チェンニーニ)

ルネサンス芸術の揺籃の地、フィレンツェの国立美術学院の門を、期待に胸を膨らませてくぐった私でしたが、絵画科の8人いた教授の中には、私が学びたかった中世・ルネサンスの絵画技法を教える教授はいませんでした。 それを勉強するには選択科目である"修…

私が日本画を始めた頃。(大した話でないです。)

私は京都の美術短大で日本画を勉強しました。 京都で日本画を勉強するということは、あの繊細な円山四条派のやり方を学ぶことを意味します。 竹内栖鳳 「猫」 ↑(この絵は何度見ても総毛立ちますな。) 結局、私があの2年間で学んだことというのは、ほんのさわ…

オリジナル性ということ(続き)

前回の続きです。 私は学者ではないので、ここで学術的なことを書くつもりはありません。史実に基づいたうえで、制作する中で考えていることを中心に綴っていきたいと思っています。 さて、レオン・バッティスタ・アルベルティ(1404~1472)の残したものは、…

オリジナル性ということ

芸術家にとって、オリジナル性は大変重要なことです。 オリジナル性とは、例えばピカソの絵を見て、 これはすぐにピカソの作品だと分かる、独自の画風があるということです。 私の日本画の師匠はこう教えてくださいました。 「自分の画風といってもパッとや…